人が集い、暮らし、まちをかたちづくる建築物は
それぞれに人々の思いや歴史の物語を秘めている。
笹川組が施工や管理を通して携わってきた作品群もまたしかり。
それらを訪ねることで、建設・土木を通して笹川組が紡いできた
このまちのストーリーをたどってみよう。
人が集い、暮らし、まちをかたちづくる建築物は
それぞれに人々の思いや歴史の物語を秘めている。
笹川組が施工や管理を通して携わってきた作品群もまたしかり。
それらを訪ねることで、建設・土木を通して笹川組が紡いできた
このまちのストーリーをたどってみよう。
STORY #02
交流旧大津公会堂
自動車や鉄道がない時代、たくさんの荷物や人を運ぶ役目は舟が担っていた。天然の水路である琵琶湖はいわば幹線道路であり、京都にいちばん近い大津の港は交通の要衝。
その地に戦前の1934年、当時としては珍しい公民館として建てられたのが旧大津公会堂。
大津公民館、市社会教育会館と名を変えながら市民に親しまれ続けてきた。
外壁タイルは可能な限り残し、欠けた箇所を信楽焼で復元
階段の手すりや照明器具も
建築当時のものを活かしてリノベーション
浜大津の駅や港からひときわ目を引くレトロな外観。なかへ足を踏み入れると往時の面影が色濃く、また、美しく残されている。
老朽化から一時は廃止も検討されたが、地域の声を受けて改修。レストランやホールとして活用され、まちの交流拠点は再び賑わいを取り戻している。
建物に重厚な趣きを添えている茶色の外壁は「スクラッチタイル」と呼ばれるもので、特注の信楽焼で復元。屋根はコンクリートを撤去して鋼製勾配屋根にすることで軽量化し、耐力壁を新設して3階ホールの大空間も確保した。環境に配慮し、屋上に太陽光発電パネルが設置され、外壁照明にLEDが採用されたのは現代ならでは。
新築施工の数倍の高い技術が求められる施工となったが、まちの歴史と人々の誇りを未来へつなぐことが叶えられた。
窓の意匠を損なうことなく鋼製フレームで補強。外壁照明にはLEDを使用。
DATA | |
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竣工 | 2010年3月 |
所在地 | 滋賀県大津市浜大津 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
規模 | 地上3階・地下1階 |
延床面積 | 1,611.87m2 |