SASAKAWA STORY

人が集い、暮らし、まちをかたちづくる建築物は
それぞれに人々の思いや歴史の物語を秘めている。

笹川組が施工や管理を通して携わってきた作品群もまたしかり。

それらを訪ねることで、建設・土木を通して笹川組が紡いできた
このまちのストーリーをたどってみよう。

この街の暮らしを支えてきた物語。

STORY #05

土木・防災高島市朽木・治山ダム

山肌に印された、
大自然との闘いと共存の証

 緑の山肌に残る崩落のあと。それをまるで縫い留めるかのように山頂から山裾へ向けて、幾重にも治山ダムが設けられている。ふもとの道路から見上げているだけではなかなか全容を知ることはないが、ドローンを使って空から見下ろすと工事の困難さをうかがうことができる。

いくつものダムが道路へ土砂が流れ込むのを防いでいる

いくつものダムが道路へ土砂が流れ込むのを防いでいる

急峻な山肌に築かれた治山ダム

急峻な山肌に築かれた治山ダム

 2013年9月、日本列島を襲った台風18号は滋賀県にも大きな被害をもたらした。高島市朽木では台風の豪雨により幅20m長さ120mにわたって大規模な山肌崩壊が発生し、大量の土石が林道と渓流に流出。林道は通行止めとなったうえ、渓流が土石で閉塞したため下流への二次災害の危険性も高まり、治山工事による復旧が行われた。

 治山工事はまず、災害によって荒れた現場を整え、倒木を処理するところから始めなければならない。とくに工事期間中は積雪が1mを超える日が続き、毎日の作業はまず除雪から。自然と闘いつつ工程を調整・管理することは困難を極めた。高い技術が求められるが、多くの人の安全を守っているという自負がそれを実現可能にしている。
 建設土木工事はまちの安心安全を守る一方で自然を損なうものでもある。そのため、環境への負荷を軽減する配慮を常に欠かさず、工事後の植樹などへの取り組みも行われている。

DATA
竣工 2015年3月
所在地 滋賀県高島市朽木

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大自然との闘いと共存の証

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